ゲーミングPCを選ぶときって、どうしてもGPUやCPUのスペックに目が行きがちですよね。
でも意外と見落としがちなのが「電源ユニットの容量(W数)」です。
BTOパソコンで構成を選ぶとき、「RTX3060の構成で電源が500Wだけど、本当に足りるのかな?」と悩む人は少なくありません。
一見地味なパーツに見えますが、電源はPCの安定動作を左右する重要な存在です。
この記事では、RTX3060に電源500Wで足りるのかどうか、実際の消費電力や動作の安定性、そして後悔しない選び方をわかりやすく解説していきます。
最後にはBTOメーカーで電源を選ぶ際のポイントや、今後のアップグレードを見据えた構成例も紹介します。
そもそも電源500Wとは?PC全体の電力を支えるパーツ

電源ユニットは、PC全体に安定した電気を送る「心臓」のようなパーツです。
電源が不安定だったり容量が足りなかったりすると、PCが突然シャットダウンしたり、ゲーム中に落ちてしまったりすることもあります。
500Wという容量は、一般的にはミドルクラス向けとされています。
オフィス作業や動画視聴などでは十分すぎる容量ですが、ゲーミングPCの場合はGPU・CPU・ストレージ・ファンなど複数のパーツが同時に高負荷で動作します。
そのため、単に「動くかどうか」ではなく「安定して動かせるか」を考えることが大事です。
RTX3060の実際の消費電力と推奨電源
RTX3060はNVIDIAのミドルレンジGPUとして非常に人気があります。
最新のゲームをフルHDで快適に動かせる性能を持ちながら、消費電力が比較的低いのも魅力のひとつです。
RTX3060のTDP(消費電力の目安)は約170W前後です。
NVIDIA公式の推奨電源容量は550W以上となっています。
つまり、500W電源でも動作自体は可能ですが、余裕があるとは言いづらいラインです。
実際のゲーミング環境では、GPU以外にもCPUやマザーボード、メモリ、SSDなどが電力を使います。
たとえばRyzen 5 5600やCore i5-13400と組み合わせた場合、全体の消費電力はおよそ350〜400W程度になります。
このように見ると500Wでも十分に動作は可能ですが、電源の品質や余裕によって安定性が変わるという点は覚えておきましょう。
電源500WでRTX3060を使うとどうなる?

実際に電源500Wの構成でRTX3060を使ってみると、フルHD・中設定のゲームならほとんど問題ありません。
たとえば、APEX LegendsやValorant、原神などでは安定したフレームレートを維持できます。
一方で、サイバーパンク2077やStarfieldといった重めのタイトルを高設定で長時間プレイする場合、電源に余裕がなくなる可能性があります。
特にCPUがRyzen 7やCore i7クラスになると、システム全体の消費電力が増え、負荷がかかりやすくなります。
ゲーム中に「急に画面が真っ暗になって再起動した」なんて経験がある人は、電源容量が不足しているケースも少なくありません。
短時間のプレイなら問題なくても、長時間プレイや配信・録画を同時に行うときは注意が必要です。
電源に余裕を持たせるメリット
「動くだけなら500Wでいいじゃん」と思うかもしれませんが、電源には「余裕」が大切です。
余裕を持たせることで安定性が高まり、トラブルも減ります。
具体的には、電源に余裕を持たせることで以下のようなメリットがあります。
- ゲーム中の負荷変動に強く、安定したフレームレートを維持できる
- 電源ファンの音が静かになり、全体の温度も下がる
- 電源ユニット自体の寿命が長くなる
- 将来的にGPUをアップグレードする際にも対応できる
たとえば、将来的にRTX3070やRTX4070などに乗り換える予定があるなら、最初から650W前後の電源を選んでおくと安心です。
余裕を持たせることで結果的に長く使える構成になり、コスパも良くなります。
BTOで電源を選ぶときの注意点

BTOメーカーで構成を選ぶとき、500W・600W・700Wなど容量を選べることがあります。
ここで見落としがちなのが、「W数だけでなく品質も重要」という点です。
同じ500Wでも、安価なノーブランド電源だと実際の安定出力が400W程度しか出ないこともあります。
一方、SeasonicやCorsair、玄人志向、SilverStoneなど信頼性の高いメーカー製なら、安定してフル出力に近いパフォーマンスを発揮できます。
また、「80PLUS認証」にも注目しましょう。
これは電源効率を表す指標で、BRONZE以上であれば一定の品質が確保されています。
電源は見えない部分ですが、品質を重視することで全体の安定性が大きく変わります。
RTX3060におすすめの電源容量と構成例
では、実際どのくらいの電源容量を選べばいいのか。
以下をひとつの目安として考えると分かりやすいです。
- 500W: コスパ重視の構成。Ryzen 5やCore i5クラスとの組み合わせ向け
- 600W: 安定性と静音性を両立できるバランス型
- 650W〜700W: 将来的なアップグレードも視野に入れた構成
たとえば、「Ryzen 5 5600+RTX3060+SSD+メモリ16GB」の構成なら、500W電源でも十分に動作します。
一方、「Ryzen 7 5800X+RTX3060Ti+メモリ32GB」のような構成では、600W〜650Wにしておくと安心です。
電源は後から交換が面倒なパーツなので、最初の段階で少し余裕を持たせておくのがおすすめです。
よくある誤解「電源は大きいほど電気代が上がる?」

「650Wとかにすると、無駄に電気代が上がるんじゃないの?」と思う人もいますが、実はそんなことはありません。
電源ユニットの容量が大きくても、PCは必要な分だけ電力を使います。
つまり、650Wの電源を使っていても、実際の消費が300Wなら300Wしか使いません。
むしろ、余裕を持った電源の方が効率よく動作するため、熱やロスが少なく、結果的に長持ちします。
電気代の心配よりも、「安定して長く使えるか」を基準に考える方が賢い選択といえます。
RTX3060で電源500Wは使えるけど「余裕を持たせるのが正解」
結論から言うと、RTX3060に電源500Wでも動作は可能です。
ただし、動作はギリギリで、構成や使い方によっては不安定になる可能性もあります。
特に、長時間プレイや同時配信、動画編集などを行う場合は600W〜650Wにしておく方が安心です。
BTOパソコンでは電源をアップグレードできることが多く、+3,000〜5,000円ほどで上位モデルを選べるので、コスパ的にも悪くありません。
「とりあえず動く」ではなく、「安心して長く使える構成」を意識すると、後悔のないゲーミングPCになります。
まとめ|RTX3060なら500Wでも動くが、600W以上がおすすめ
RTX3060搭載のゲーミングPCでは、500W電源でも動作に問題はありません。
ただし、長時間のゲームや将来的なアップグレードを考えるなら、600W〜650Wにしておくと安定性も寿命も伸びます。

おすすめは600~650Wだぞ!
BTOメーカーで選ぶ際は、容量だけでなく「80PLUS認証の有無」や「メーカー名」も忘れずチェックしましょう。
電源はPCの「縁の下の力持ち」です。
わずかなコストアップで快適さと安心感が手に入るので、電源に関してはケチらないほうが結果的に得です。









