ゲーミングPCを使っていると、気になるのが「熱」。
長時間ゲームをしていると、ケースの中が熱くなったり、ファンの音が急に大きくなったりすることがありますよね。
でも実は、この熱はパソコンの性能や寿命に大きく関わるとても重要なポイントです。
この記事では、ゲーミングPCの熱対策をテーマに、「どのくらいの室温が理想なのか」「室温が高いとどんな影響があるのか」「どうすれば熱を抑えられるのか」をわかりやすく解説していきます。
最近「PCがやたら熱い」「夏になるとFPSのフレームレートが落ちる」と感じている人は、この記事を読めばその原因と解決法がはっきりわかるはずです。
なぜゲーミングPCは熱くなるのか?

まずは、なぜゲーミングPCがこんなに熱を持つのかを理解しておきましょう。
ゲームをプレイしているとき、PCの中ではCPUやGPU(グラフィックボード)がフルパワーで動作しています。
特に最近のゲームは映像がリアルで処理が重いため、これらのパーツが常に高負荷状態になります。
CPUやGPUは高性能なほど発熱量も多く、電力を大量に消費するため、その分“熱”が発生します。
特にAPEX Legendsやモンスターハンターワイルズ、Battlefieldシリーズ、Cyberpunk 2077のような人気タイトルをプレイしていると、GPU使用率が100%近くまで上がることも珍しくありません。
この状態が続くと、ケース内部の温度は一気に上昇します。
そして熱がうまく逃げないまま放置すると、CPUやGPUが自動的に性能を落とす「サーマルスロットリング」が発生し、結果的にフレームレートが下がったり、ゲームがカクついたりします。
つまり、ゲーミングPCにとって「熱」はパフォーマンスを左右する重要な要素。
どれだけ高性能なパーツを使っていても、熱がこもれば本来の力を発揮できません。
室温とPC温度の関係|理想の室温はどのくらい?

冷却ファンを増やしたり、水冷クーラーを導入したりしても、根本的な冷却性能を決めるのは「室温」です。
部屋の空気が熱ければ、どんなに優秀な冷却パーツを使っても、十分な冷却はできません。
ゲーミングPCにとって理想的な室温は20〜25℃前後。
これがもっとも安定した動作を保てる温度帯です。
一方で、室温が30℃を超えると、CPUやGPUの温度も比例して上昇します。
たとえば、室温25℃のときにGPU温度が70℃だったPCでも、室温が30℃になるとGPU温度が80℃を超えることもあります。
これは冷却ファンが取り込む空気そのものが温かいため、熱を逃がす効率が下がるからです。
つまり、「PCが熱い」というより、「部屋が暑いからPCが冷えない」ケースが非常に多いんです。
冷却パーツをいじる前に、まずは室温をチェックするのが熱対策の第一歩です。
PCが熱くなりすぎるとどうなる?
「ちょっと熱いだけなら大丈夫」と思っていませんか?
実は、熱を放置するとPC内部で少しずつダメージが蓄積していきます。
主な影響としては次のようなものがあります。
- フレームレート(FPS)が安定しなくなる
- ファンの回転数が上がり、騒音が大きくなる
- CPUやGPUが温度制限で自動的に性能を下げる(サーマルスロットリング)
- 長期的にパーツの寿命が短くなる
特にGPUは熱に弱いパーツです。
80〜85℃を超える高温状態が長く続くと、内部のハンダや部品が劣化していき、1〜2年後に不具合が出ることもあります。
ゲーム中に「ファンが急にうるさくなる」「フレームがガクッと落ちる」と感じたら、それはPCが「限界まで熱くなっているサイン」かもしれません。
すぐできる!室温を下げて熱を抑える方法

熱対策というと、冷却ファンの増設やCPUグリスの塗り替えを思い浮かべる人が多いですが、
実際に最も効果があるのは「室温そのものを下げること」です。
次の方法を試してみてください。
- エアコンを使用して25℃前後をキープする
- 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
- PCの排気口を壁から30cm以上離す
- 直射日光が当たらない位置にPCを設置する
これだけでも、PC内部の温度が5〜10℃下がることがあります。
特に夏場は、PC本体に風を当てるよりも「部屋全体の空気を動かす」ほうが効果的です。
冷却パーツでさらに効果アップ!PC内部の熱対策

室温対策をしたうえで、PC内部の冷却環境を見直すとさらに効果的です。
たとえば、ケースファンを増設して吸気と排気のバランスを取るだけでも冷却効率は大きく変わります。
前面から冷たい空気を吸い込み、背面や上部から熱を排出する流れを意識しましょう。
また、CPUクーラーを標準のものからサイドフロー型や水冷クーラーに交換するのもおすすめです。
これにより、CPU温度を10℃以上下げられるケースもあります。
さらに、GPU下に風を送る「グラボスタンドファン」を設置することで、グラボ周りの熱だまりを防ぐことができます。
長期間使用しているPCなら、サーマルグリスを塗り直すだけでも熱伝導率が改善し、冷却効果がアップします。
デスク周りの環境も熱対策のポイント

意外と見落とされがちなのが、PCの設置場所です。
カーペットの上や壁際に置いていると、排熱がこもりやすく冷却効果が大幅に下がります。
理想的なのは、風通しの良いデスクの上や、左右に空間のある位置です。
PCケースの前面・背面・上部をふさがないように配置するだけでも、エアフローが改善されます。
また、ほこりがファンやフィルターに溜まると、空気の流れが悪くなり一気に温度が上昇します。
2〜3か月に1回はケースを開けて、ブロワーやエアダスターで軽く掃除する習慣をつけると効果的です。
温度をモニタリングして管理しよう
熱対策を効果的に行うには、まず「今どのくらい熱くなっているのか」を把握することが大切です。
最近は無料で使える温度モニタリングツールが多く、設定も簡単です。
代表的なものとしては、
- HWMonitor:CPUやGPUの温度をリアルタイムで確認可能
- MSI Afterburner:GPU温度や使用率、ファン回転数をグラフで見られる
これらを使えば、ゲーム中の温度を常にチェックできます。
GPUの温度が80℃を超えるようなら要注意。
設定を見直したり、冷却ファンの回転数を上げたり、室温を下げる対策を取りましょう。
まとめ|室温を制する者がゲーミングPCを制す
ゲーミングPCの熱対策は、冷却パーツを増やす前に「室温管理」から始めるのが最も効果的です。
理想的な室温は20〜25℃。
これを超えると、CPUやGPUの温度が急上昇し、性能低下やパーツ劣化を招きます。
快適にゲームを続けるために意識したいポイントは以下の3つです。
- 室温を下げてPCが吸う空気を冷やす
- ケース内のエアフローを整える
- 定期的に掃除してほこりを取り除く
この3つを意識するだけで、真夏でも快適にプレイでき、PCの寿命も大きく延ばせます。
高価なゲーミングPCを長く使うためにも、まずは「部屋の温度」から見直してみましょう。
熱を制することが、最高のパフォーマンスを引き出す第一歩です。