配信をしながらゲームをプレイしている人を見ると、「どうやってあんなにスムーズに動かしてるんだろう?」と思ったことはありませんか?
実は、ゲーム配信に向いているパソコンと、普通にゲームをプレイするためのパソコンは少し違います。どちらも快適に動かすためには、ある程度の性能が必要になります。
この記事では、「配信用ゲーミングPCのスペック」をテーマに、これから配信を始めたい人がどんなパソコンを選べばいいのか、分かりやすく解説します。
性能の目安から、実際におすすめできる構成まで、ひと通り押さえれば失敗しない1台を選べるようになります。
なぜ「配信用ゲーミングPC」は普通のゲーミングPCと違うのか?
まず知っておきたいのは、「ゲーム配信」はパソコンにとってかなり重い作業だということです。
通常のゲーミングPCは、ゲームを動かすことだけに集中します。しかし、配信をするとなると、ゲームの映像をリアルタイムでエンコード(圧縮)し、配信ソフトを動かしながら視聴者に映像を送るという追加の負荷がかかります。
たとえば『Apex Legends』や『フォートナイト』、『VALORANT』などのFPSタイトルをプレイしながら、OBSで配信を行うとします。
このとき、ゲームだけなら余裕があっても、配信を同時に行うとフレームレートが不安定になったり、カクついたりすることがあります。
つまり、配信用ゲーミングPCは「ゲーム用+映像編集用」の性能を両立する必要があるんです。
CPU選びが最重要!配信を安定させる心臓部のスペック

ゲーム配信において最も重要なパーツのひとつが「CPU」です。
CPUは映像の処理や配信ソフトの動作を支える頭脳のような部分で、性能が低いとカクつきや音ズレの原因になります。
配信用ゲーミングPCでは、少なくとも以下のようなスペックを目安にしましょう。
- Intel Core i7(第12世代以上)
- または AMD Ryzen 7(7000シリーズ以降)
たとえば「Core i7-13700K」や「Ryzen 7 7800X3D」は、配信+高負荷ゲームを同時にこなす余裕のあるCPUです。
配信では、ゲームを動かす以外にも「エンコード処理」を行うため、スレッド数の多いCPU(=マルチタスクに強いCPU)が適しています。
もちろん、軽い配信(例えば2Dゲームや雑談配信)ならCore i5やRyzen 5でも問題ありませんが、将来的に多くのゲームタイトルを扱いたいなら、最初から上位モデルを選んでおくのが安心です。
グラフィックボード(GPU)はRTXシリーズが鉄板

次に大切なのがグラフィックボード(GPU)です。
GPUはゲームの映像を描くパーツで、配信の画質やフレームレートにも直結します。
また、NVIDIA製のGPUには「NVENC」という配信用の専用エンコード機能が搭載されており、CPUの負担を減らしてくれるため、配信には非常に相性が良いです。
おすすめのグラフィックボードは次の通りです。
- NVIDIA GeForce RTX 4060 / 4070 / 4070 Ti
- RTX 4080以上を選べば、4K配信や高フレームレート配信も余裕
たとえば、フルHDで『Apex Legends』をプレイしながら配信するならRTX 4070クラスがちょうど良いバランスです。
RTX 4060でも十分動きますが、映像の安定性や将来性を考えると、少し余裕のあるGPUを選ぶのがおすすめです。
AMD製GPUもゲーム性能は高いですが、配信ではNVENCのあるNVIDIAを選ぶのが無難です。
メモリは16GBでは足りない?快適に配信するための容量とは
「メモリ」は同時に動かせるアプリの量やスムーズさに関わる部分です。
最近のゲームは容量が大きく、配信ソフト(OBSなど)やブラウザを開いたまま動かすと、すぐにメモリを使い切ってしまうこともあります。
配信用のゲーミングPCでは、最低でも32GBを目安にするのがおすすめです。
16GBでも動作はしますが、マルチタスクが増えると動作が不安定になる場合があります。
配信ツール、音声ミキサー、チャットアプリ、ブラウザなどを同時に動かすことを考えると、余裕を持っておく方が安心です。

ストレージ(SSD)は速度重視で選ぶのがポイント
意外と見落としがちなのがストレージ(データ保存用のドライブ)です。
配信用のPCでは、録画データや動画ファイルなど容量の大きいデータを扱うことが多いので、ストレージの性能も重要です。
おすすめは以下の構成です。
- NVMe SSD(1TB以上) … 起動や読み込みが超高速
- HDD(2TB〜) … 録画データやアーカイブ保存用
最近のNVMe SSDは価格も下がっており、1TBでも手が届きやすくなっています。
特に配信を毎日のように行う人は、録画データだけで数百GBを使うこともあるため、最初から大容量を選んでおくと後悔しません。
電源・冷却性能にも注意!長時間配信を安定させる裏の力

意外と重要なのが、電源ユニットと冷却性能です。
配信では長時間PCを動かすことが多く、負荷も高くなります。電源の容量が小さいと不安定になり、冷却が弱いとパーツの寿命が短くなります。
理想的なのは、80PLUS GOLD認証以上・750W以上の電源を選ぶこと。
また、CPUクーラーやケースファンがしっかりしたモデルを選ぶと、配信中にファンの音がマイクに入りにくく、静音性も保てます。
実際の構成例:配信+ゲームを快適にこなせるスペック

最後に、配信もゲームも快適に行える構成例を紹介します。
このスペックなら、フルHD配信や144fpsのゲームプレイも余裕です。
おすすめ構成例:
- CPU:Intel Core i7-13700K
- GPU:NVIDIA GeForce RTX 4070
- メモリ:32GB DDR5
- ストレージ:NVMe SSD 1TB+HDD 2TB
- 電源:750W GOLD認証
- OS:Windows 11 Home
この構成であれば、ApexやVALORANTの配信はもちろん、同時にOBSやブラウザを立ち上げても快適に動作します。
もし4K配信や動画編集も視野に入れているなら、RTX 4080クラスにアップグレードするのもおすすめです。
まとめ:配信用ゲーミングPCは「余裕のある性能」が鍵
配信用のゲーミングPCを選ぶときに大切なのは、「ゲームだけでなく、配信の負荷も考えたスペック」を選ぶことです。
まとめると、以下のような構成を意識すればまず間違いありません。
- CPU:Core i7 or Ryzen 7クラス
- GPU:RTX 4070以上
- メモリ:32GB
- ストレージ:SSD 1TB+HDD 2TB
- 電源:750W以上
このスペックなら、長時間配信しても安定して動作し、視聴者に快適な映像を届けられます。
一度しっかりしたPCを用意すれば、ゲーム配信だけでなく動画編集や音楽制作など、幅広い活動にも活かせます。
「配信用ゲーミングPC」は単なる道具ではなく、あなたの配信活動を支えるパートナーのような存在。
妥協せず、長く使える一台を選びましょう。